先に挙げた認定看護師、専門看護師が日本看護師会がメインの専任機関であるのに対し、助産師というのはひとつの国家試験合格者がなれるものになります。もちろん、それには条件があります。
【助産師なるための条件】
1)日本国看護師の資格を持っていること
2)厚生省が認可した助産師養成所で1年間か、もしくは文部省が認定した学校(大学・大学院)での1~2年間の専門教育を受けること
3)助産師国家試験に合格すること
看護師資格を取り、専門機関で勉強し、国家資格を取る、ということです。しかし現在は看護教育も大学化がすすみ、助産師養成所も少なくなってきている状況ですので、看護大学から専攻科か大学院に進むコースが増えています。
【資格取得までの期間】
看護大学(4年)+専門家1年の5年、もしくは2年間の大学院での教育が一般的です。また、看護師専門学校(3年)に通って、再度大学の専門コースに入りなおす方法もあります。
最短コースは看護学校(3年)+助産師養成所(1年)の4年となります。
看護師が女性、男性ともいるのに対し、日本では助産師は今のところ女性のみです。検討もされましたが、現在では早期である、産婦の感情にそぐわないなどの理由で見送られました。
【助産師の仕事】
古くは出産のほとんどが自宅で行われており、その際に助産師の前身である産婆、助産婦が立ち会うのが一般的でした。それが、高度発展機に病院での出産が多くなるにつれて、助産婦は助産婦が単独で作る助産所を開設したり、病院の産婦人科で医師の補助をしたりする役割となってきました。ただし、助産婦のみで行うことのできる助産行為は正常分娩のみで、異常分娩や妊婦の異常に関しては医師が患者を見る必要があります。
【最近の助産院の様子】
現在でも病院出産が多数を占めますが、近年、「自分らしいお産」を要望する妊婦により、助産所や自宅での出産も多少増えています。
しかし、これ(とくに自宅出産)は非常に危険なものであり、万が一の場合を考えた場合、医療機関と容易に連携の取れる場所である必要があります。
ただ、正常出産後、母子ならびにその家族の触れ合いの場所としての助産院は評判も高く、また、産褥期の母親の不安に対応する機関ともなっています。育児の相談場所にもなっているのです。
【助産師の働ける場所】
病院、診療所、保健所、家庭、その他のサービスの場で業務を行うことができます。また先に述べたとおり、独自に助産院を開くことができます。